インドのスパイス入り煮出しミルクティー、チャイ。実は自宅で簡単に作れちゃいます。
特別な道具は必要ありません。茶こしくらい?
しかも作り方に正解はなく、すべてが自由。自分好みの味をどこまでも追及できる楽しさは、一度はまったらやみつきになるかも。
さっそく今から作ってみましょう。
はじめに
そもそもチャイってなに?
チャイはヒンディー語で「茶」を意味する一般名詞です。
インド人はたしかにお茶(チャヤとかチャイと呼ばれる)を彼らなりの飲み方で飲んでおり、お茶が大好きだ。たいていはミルクで煮出した濃い紅茶に、砂糖とカルダモン、フェンネル、ジンジャー、クローブなどのスパイスを入れて飲む。
[出典:世界の茶文化図鑑 p.54]
日本で「お茶」というと温かい緑茶を指すのと同じように、インドで「お茶」といえばスパイス入りの甘い煮出しミルクティーを指すんですね。
なので狭義には、
ということになります。
ご紹介するレシピについて
この記事では、趣味で紅茶をのんびり楽しんでいる筆者が、うちではこんなふうにチャイを作ってるよ、というのをゆるーくご紹介していきます。
チャイのレシピは星の数ほどあります。どれが正解ということはありません。
ここでご紹介しているのは少なくとも、
- 素人が簡単に作れて
- しっかり濃厚な味で
- 自宅で楽しむには十分すぎるほどおいしい
そんなレシピになります。
あくまでひとつの例として参考にしてもらえたら嬉しいです!
用意するもの
- 茶葉
- スパイス
- 小さじ
- 牛乳
- 鍋
- タイマー
- 茶こし
- マグカップ
以下、ひとつずつ詳しく見てみましょう。
茶葉
ミルクティー向けのルースティー(リーフティー)を使います。ルースティーとはティーバッグになっていないばら茶のことです。
なかでもアッサムCTCを買っておけば間違いありません。
アッサムCTCとは、インドのアッサム地方で生産された紅茶をCTCという製法で粒状に成形した茶葉です。極めて濃く出る、ほとんどチャイのためにあるような紅茶です。
上の商品はインドのメーカーですね。ぐうの音も出ないほどのお手頃価格ですが、500gとなると結構な量なので毎日常飲したい人向けです。
国内のブランドだと、たとえばこちら。
量的にはちょうどよいですが、海外のメーカーと比べると値段が上がります。国内の紅茶ブランドだとこのくらいが相場です。
スパイス
ホール、粉末、どちらでもOKです。好きなものを好きなだけ。完全に自由です。
とはいえおそらく、このページを読んでくださっているのは「そんなこと言われてもよくわからない」という方がほとんどだと思います。私もそうです。
そんなあなたにはチャイ用のスパイスミックスがおすすめです。プロの手によってブレンドされているので、完成されたおいしさが楽しめます。
スパイスがあらかじめ混ぜこまれたチャイ専用茶葉というのもあります。茶葉とスパイスをそれぞれ用意する必要がないのでお手軽の極み! こちらもおすすめです。
小さじ
茶葉をはかるのに使います。大きめのティースプーンでもOKです。
ティーメジャーやティーキャディースプーンなんてしゃれたものをお持ちであれば、ぜひそれを使いましょう。紅茶を計るためのスプーンです。筆者は一度も使ったことありません。
牛乳
成分無調整の牛乳を使います。
成分調整牛乳や加工乳は使ったことがなく、今後試してみる気もないので、そちらを使う場合の味は保証しかねます。
鍋
小さな鍋ならなんでもよいです。
ミルクパンなんてしゃれたものをお持ちであれば、ぜひそれを使いましょう。注ぎ口がついているのでこすのが楽です。私もそろそろほしいです。
タイマー
煮出し時間を計るのに使います。
正確に計りたいので、時計ではなくタイマーがおすすめです。ただ個人的な印象としては、蒸らしていれる普通の紅茶ほどシビアではないです。
茶こし
なるべく目の細かい茶こしがおすすめです。目が粗いと細かい茶葉が通り抜けてしまい、えぐみの原因になります。
とはいえ、最初からそこまでこだわる必要はないかもしれません。まずはおうちにあるもので。必要を感じたら新調するとよいでしょう。
いろいろな形がありますが、下のような半球型の茶こしに取っ手がついたオーソドックスなものがおすすめです。
マグカップ
飲めればなんでもよいのですが、レシピをわかりやすくする関係上、この記事ではマグカップを前提にお話ししていきます。水や牛乳を計るのにも使います。
作り方
チャイの作り方をざっくりまとめると以下のようになります。
- 水道水を沸かす
- 茶葉を計る
- 茶葉を入れて煮る(ホールスパイスはここで入れる)
- 牛乳を入れて煮る(パウダースパイスはここで入れる)
- 茶こしでこす
この5ステップを押さえればおいしいチャイができあがります。
ほとんどロイヤルミルクティーと同じなんだ~。
煮出し時間とか砂糖を入れるタイミングとか、細かい違いはあるけど、基本的にはスパイス入りロイヤルミルクティーって感じ!
できあがりの量はマグカップ2杯分です。それではいってみましょう。
ステップ1:水道水を沸かす
マグカップ1杯分の水道水を鍋に入れて沸かします。
ステップ2:茶葉を計る
茶葉を計ります。小さじ2杯=マグカップ1杯分として、小さじ4杯がめやすです。
私は濃いめにいれたい派なので、ティースプーン山盛り3杯=マグカップ1杯分くらいで取っています。
ステップ3:茶葉を入れて煮る
お湯が沸騰したら茶葉を入れます。
ホールスパイスを使う場合、荒く砕いたものをこのタイミングで入れます。配合や量は完全に自由です。数あるレシピを参考に、好みに合わせてあれこれ試してみましょう。
タイマーを4分にセットしてぐつぐつ煮ます。
火力は弱火~中火くらい。常にぐつぐつ煮立っていればOKです。ふたをする場合は吹きこぼれないようにずらしておきましょう。
煮出している間に、冷えた牛乳をマグカップ1杯分計っておきます。
ステップ4:牛乳を入れて煮る
マグカップ1杯分の牛乳を鍋に入れて煮ます。
パウダースパイスを使う場合はこのタイミングで入れます。配合や量は完全に自由です。パッケージに記載があればその通りに入れてみて、次回以降、必要に応じて調整するとよいでしょう。
火力は中火くらい。ふたをする場合は吹きこぼれないようにずらしておきましょう。
ステップ5:茶こしでこす
火を止めて、茶こしでこしながらマグカップに注ぎます。
注ぎきれない分は、おかわり用のティーポットに注ぐ、別のマグカップに注ぐ、鍋に残しておいておかわりのときに注ぐなど、都合に合わせて工夫しましょう。
以上で、おいしいチャイのできあがりです!
スパイスの量とか配合とか完全に丸投げじゃん。
だってほんとに自由なんだもん……お好みでどうぞとしか……!
そのうち、これだ!という一押しの配合を見つけたらご紹介するかもしれません。期待せずお待ちください。
これやっちゃあかん
以下のようなことをすると味が落ちる可能性があります。ご注意ください。
×牛乳で茶葉を煮る
牛乳で茶葉を煮出すのはやめましょう。
牛乳の成分が茶葉の抽出を妨げるため、味が充分に出ません。茶葉は熱湯で煮出し、そのあと牛乳を加えて煮込みましょう。
×保温したお湯を使う
保温したお湯を沸かしなおすのはやめましょう。
おいしい紅茶に必要なのは「空気をたっぷり含んだ新鮮な水」です。
×ミネラルウォーターを使う
市販のミネラルウォーターを使うのはやめましょう。
おいしい紅茶に必要なのは「空気をたっぷり含んだ新鮮な水」です。
×茶葉をケチる
茶葉をケチるのはやめましょう。
熱した牛乳とスパイスの風味に負けて非常に残念な味になります。お手頃プライスの茶葉を惜しみなく投入して作りましょう。
×茶葉をしぼる
茶こしでこす際、茶葉をしぼらないようにしましょう。
えぐみや雑味のもとになります。茶液が自然に滴り落ちるのを待ちましょう。
余裕があったらもうひと手間
余裕があれば、こんなところに気を使うとさらにおいしくなるかもしれません。
茶葉の量を調整する
好みに合わせて茶葉の量を調整してみましょう。
多めがおすすめ! 濃いめがおすすめ!
水と牛乳の割合を変える
好みに合わせて水と牛乳の割合を変えてみましょう。
ここでご紹介したのは1:1ですが、2:1にしてみたり1:2にしてみたり。
煮出し時間を調整する
好みに合わせて煮出し時間を調整してみましょう。
いろいろ試して変化を楽しんだり、一番おいしいタイミングを研究してみてもいいかも。
砂糖を加えて煮る
牛乳を入れるあたりで、砂糖を加えて一緒に煮込んでみましょう。
元来、チャイは甘い飲み物です。上のレシピ(できあがりマグカップ2杯分)ならティースプーン山盛り4杯かそれ以上、どかっと入れて甘~く煮込むのがおすすめです。
マグカップを温める
茶こしでこす前に、あらかじめ熱湯を注ぐなどしてマグカップを温めておきましょう。
保温性が増して長くおいしく楽しめます。
それでもおいしくなかったら
単純に、茶葉やスパイスが好みに合っていない可能性があります。
茶葉を変えてみたり、ブランドを変えてみたり、スパイスの配合を変えたり、別のミックススパイスを試してみたりするとよいでしょう。
また、同じ名前の茶葉でもブランドによって味がまったく異なります。たとえば「××のアッサムはいまいちだけど○○のアッサムだとおいしい!」といったことも普通にあります。
スパイスについても同様で、「××のティーマサラより○○のティーマサラのほうが好き!」ということはもちろんあります。
どうやってもやっぱりおいしくないぞ?と思ったら無理せずほかの材料を試してみましょう。
まとめ
最後にもう一度、自宅でおいしいチャイを作るための5ステップをおさらいしましょう。
- 水道水を沸かす
- 茶葉を計る
- 茶葉を入れて煮る(ホールスパイスはここで入れる)
- 牛乳を入れて煮る(パウダースパイスはここで入れる)
- 茶こしでこす
寒い季節、暑い季節、どちらにもぴったりの飲み物だよ。一息ついて元気を出したいときにもおすすめ! とことん好みに合わせて楽しんでみてね。
にゃ。
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姉妹ブログ・はじめてのインド旅行!で、本場インドの紅茶事情についてあれこれご紹介しています。あわせてお楽しみください。
スパイスなしのロイヤルミルクティーについてはこちらの記事をどうぞ。