どこにでもあるチェーン店からこだわりの個人カフェまで、コーヒーが売りのお店は多々あれど、なぜか少ない「紅茶のおいしいお店」。
ペットボトルティーじゃない、ティーバッグを浸した色つきのお湯でもない、ちゃんとおいしい紅茶が飲みたいんだー!と夕日に向かって叫んだことのある人は多いはず(?)
このシリーズでは、筆者が実際に訪れた紅茶のおいしいお店をゆるーくご紹介していきます。おもに神奈川県から東京都内にかけてのエリアが中心になります。
第7回は神楽坂にある紅茶専門店、The Tee Tokyo supported by MLESNA TEAをご紹介します。
ムレスナティーが監修するティーサロン
読みは「ザ・ティー・トーキョー・サポーテッド・バイ・ムレスナ・ティー」です。
2017年4月にオープンした、セイロンティーブランドのムレスナティーが監修するティーサロンです。
ムレスナティーってどんなブランド?という方はこちらの記事をどうぞ。
おいしいフレーバードティーが飲み放題!
このお店の目玉はなんといってもティーフリー。
わんこそばよろしく、多種多様なフレーバードティーを次々にカップに注いでくれるサービスです。時間無制限、飲み放題で¥1,000(税別)です。
専門店のいろんな紅茶が1,000円で飲み放題ってすごい!
フレーバードティー好きのりんちゃんにはたまらないシステムだね~。
筆者ももちろん注文しました。後ほど詳しくレビューしますね!
目にも鮮やかな紅茶の数々
お店は一戸建てで、ゆったり広々としています。
あの個性あふれるパッケージの数々がさっそくお目見えです。
入ってすぐのところが物販コーナー、その奥に客席とキッチンがあります。
物販コーナーは品揃えが豊富で非常に充実しています。
壁側には、派手なデザインと奇抜なテキストが特徴の人気商品、キューブボックスがこれでもかと勢揃い。
キューブボックスについて、詳しいレビューはこちらの記事をどうぞ。
こんな感じで全種類、香りを試すことができます。
後述しますがこのお店、非常に待ちます。長い待ち時間にじっくりお気に入りの香りを探すのも楽しいですよ。
客席の奥にもキューブボックスがずらり。圧巻です。
そのほか、ティーバッグの個包装やデザイン缶、詰め合わせ、フード、茶器、書籍などが売られています。
土日祝は待ち時間1時間以上を覚悟して
筆者は雨の日の土曜、夕方4時半ごろに訪問しました。先に7組ほど待っており、最終的に席に通されるまで1時間半待ちでした。(2019年6月時点)
SNSでバズってからある程度時間も経っているし、外は本降りの雨だし、ワンチャンいけるのでは!?と期待して行きましたがやはりダメでしたね……。オープンから2年以上経った今でも大人気のようです。
席数はそこそこあるのですが、時間制限がなく、じっくり長居して楽しむタイプのお店なので、回転はよくありません。
というわけで、土日祝は天気に関わらず、長時間待つことを覚悟のうえで行きましょう。可能なら平日がベストだと思います。
待ってる間は物販コーナーを自由に見ていられるよ。紅茶が目移りするほどたくさんあって、それぞれ香りも試せるから、数十分待ちくらいなら余裕かも!
ウェルカムドリンクがついてくる
席につくと、もれなく全員にウェルカムドリンクがふるまわれます。この日は「薔薇と桃」のアイスティーでした。
よそでは地味に見ないサービスですね! 長時間待った後なので非常にありがたいです。
フレーバードティー飲み放題のティーフリーなど、変わったシステムが売りのお店なので、店員さんがメニューを開きながら丁寧に説明してくれます。
次から次へと注がれるフレーバードティー
筆者が注文したのは、究極のホットケーキ&ティーフリーセット(税別¥2,200)。お土産に個包装のティーバッグがひとつついてきます。
空のティーカップがテーブルに置かれ、さっそく1杯目が注がれました!
一回の量は上の写真くらい。少ないと思われるかもしれませんが、これくらいでないと何種類も飲めません。最終的にお腹がちゃぷちゃぷになるほど楽しめますのでご安心を。
この日飲んだ紅茶は以下の通り。計10種類いただきました。すべてフレーバードティーです。
- ハワイアンベリー
- オランジェパリ
- キャラメルチャイ
- ブルーベリーライチ
- ブルービードロ
- ホワイトバニラ
- マスカットグレープ
- 天使のローズ
- キャラメルキャンディ
- フレンチベリー
20種類近く飲んだというレビューもよく見かけます。時間制限はないので心ゆくまでじっくり楽しんじゃいましょう!
カウンターの向こうで絶え間なくお湯が沸かされ、次々に紅茶がいれられていきます。
見たところ蒸らし時間はごくごく短く、ほとんど熱湯にくぐらせるだけに近い様子でした。出来上がった紅茶も、香料は充分かもしれませんが、紅茶本来の旨みや香りはやや淡い気がしました。
それはそれでありなのかもしれませんが、ムレスナティーのティーバッグには「蒸らし時間40秒」と記載されています。もう少し置いてもいいんじゃないかな?と個人的には感じました。
フレーバーリストと洗双糖
写真中央の白い紙はムレスナティーのフレーバーリストです。ティーフリーの紅茶はこの中からランダムで提供されます(モリンガなど一部のお茶は除く)。
その数なんと90種類以上! しかも順次、新作が入るなどして入れ替わっていくため、飲みつくすことはほとんど不可能でしょう。
何回来ても楽しめるお店ってことだね!
なお、ティーフリーで紅茶が注がれる前には、必ず店員さんがどんな紅茶か説明をしてくれます。苦手そうな香りだったら断ることも可能です。
常備されているお砂糖は洗双糖。ブランドのこだわりなのだそうです。
紅茶に少し入れてみたところ、なるほど、お茶の味や香りをまったく邪魔せず、それでいてナチュラルな絶妙な風味でした。
ホットケーキはむっちりなめらか
こちらが究極のホットケーキ(そういうメニュー名)。まるで食品サンプルのような、これぞホットケーキ!という見た目ですね。
形がしっかりしているので「外はさくさく、中はふわふわ」系かと思いきや、ナイフを入れるとむっちりとした弾力! 中はもふもふ、それでいてくちどけなめらかです。
色とりどりのブーケのように華やかな紅茶たちの名脇役、といったところでしょうか。
シロップはキャラメル、ベリー、アールグレイの三種類が用意され、好きなように使えます。
白飛びしてしまっていますが、写真左にあるのはシチリア産の塩です。こちらとキャラメルシロップを合わせると塩キャラメルになるというわけですね。
塩キャラメルももちろんおいしかったですが、個人的に一番気に入ったのはアールグレイのシロップでした。さすが紅茶のお店です。
サンドイッチは野菜たっぷり、絶品ブレッド!
一緒に行った友人はサンドイッチとティーフリーを合わせて楽しんでいました。
こちらはセットがないのでそれぞれ単品になります。サンドイッチが¥1,500、ティーフリーが¥1,000(各税別)です。
全5種類の中から、今回は青のりとモッツァレラチーズのサンドをチョイス。
一風変わった取り合わせですが、これが非常に美味! 海苔の佃煮とチーズってこんなに合うんですね。
もっちりと高密度な旨みあふれるブレッドと、たっぷり盛られたグリーンサラダが高ポイントでした。まさしく紅茶のおともにぴったりのフードです。
こんなときにおすすめ!
このお店を一言で表すなら、紅茶のエンターテインメント施設。しみじみ味わう、雰囲気に浸るというよりは、わくわく楽しむタイプの紅茶専門店です。
話題のお店なので二人以上のグループ客が多い印象ですが、一人でじっくりていねいに飲み比べたり、ムレスナさんの本を読みながらまったり楽しむのもよさそうです。
注意点としては以下のようなところが挙げられます。
とにもかくにも待ちます。平日の利用を強くおすすめします。
ティーフリーの紅茶の種類はきわめて豊富ですが、フードやスイーツは選択肢がかなり限られます。そしていずれも単価が高めです。
ティーフリーで提供される紅茶はフレーバードティーのみという点にもご注意ください。いずれも素晴らしくいい香りですが、フレーバードティーがそもそも苦手という方には不向きかと思います。
基本情報
関連書籍
店内の物販コーナーや、席のテーブルにムレスナさんの本が置いてありました。興味深かったのでご紹介したいと思います。
ムレスナティー 阪神間の小さな紅茶屋さんが起こした大きな奇跡
ムレスナティージャパン代表取締役のディヴィッド.Kさん、通称ムレスナさんによるエッセイ本です。ムレスナティーを日本に広めるための奮闘記、そしてムレスナさんの信念が光る仕事論に注目です。
こちらは雑誌感覚で楽しめる一冊。きれいな写真がふんだんに盛り込まれています。ムレスナティーを飲みながらのんびり読んだら、素敵なひとときが過ごせそうです。
一番新しい本がこちら。前述の「ART of TEA」の最新版といった印象です。ネット上には試し読みが出ていないようなので、ぜひ、店舗でお手に取ってみてはいかがでしょうか。