どこにでもあるチェーン店からこだわりの個人カフェまで、コーヒーが売りのお店は多々あれど、なぜか少ない「紅茶のおいしいお店」。
ペットボトルティーじゃない、ティーバッグを浸した色つきのお湯でもない、ちゃんとおいしい紅茶が飲みたいんだー!と夕日に向かって叫んだことのある人は多いはず(?)
このシリーズでは、筆者が実際に訪れた紅茶のおいしいお店をゆるーくご紹介していきます。おもに神奈川県から東京都内にかけてのエリアが中心になります。
第6回は神保町にあるセイロンティーの専門店、青山ティーファクトリーをご紹介します。
知る人ぞ知るセイロンティーの専門店
青山ティーファクトリーは、1996年に東京・青山に開業した紅茶専門店です。現在は神保町に移転しています。
インド、ケニア、インドネシア、中国……紅茶の産地は世界中にいくつもありますが、このお店はスリランカの紅茶、すなわちセイロンティーにこだわり、セイロンティーのみを取り扱っています。
紅茶好きの間ではかなり有名らしく、筆者も名前だけは聞いていたのですが、今回ちょうどいい機会があったので行ってみることにしました。
こぢんまりとした店内
神保町駅から徒歩2分、駅近ながらひっそりとした細道沿いにお店があります。


外観
お店につくと、店主さんが外で煙草で一服しているところでした。「いらっしゃい!」と気さくに歓迎してくださいました。


入口前の看板
早速中に入ってみると、店内は思いのほかこぢんまりとしていました。個人経営のこだわりの隠れ家カフェといった趣です。
カウンターが4席、4人掛けのテーブル席が2つ。計12席の客席の奥にキッチンと物販コーナーがあります。
厳選されたシンプルなメニュー
席についてメニューを開くと、おもむろにテーブルにティーカップを置き始める店主さん。
「紅茶飲むでしょ? 飲まなかったら怒っちゃうよ~」


(ゆるい)


(なごむ)
のっけから店主さんの温かい人柄が炸裂して、なんだかにやにやしてしまいます。
紅茶専門店というと、目移りするほど多種多様な紅茶を揃えているところも多いですが、こちらのお店はメニューの種類は少なめです。
ストレートティーが7種類、ミルクティーやアイスティーなどのバリエーションがいくつか。フードはドライカレー、サンドイッチが4種類、アメリカンワッフルが7種類。あとはそれぞれのセットなど。
過不足なく洗練されたメニューという印象です。
リーズナブルな価格で本格紅茶が楽しめる


ストレートティーのティーポット
ストレートティーはすべてポットサービス。茶葉が中に入った状態で出されます。
お値段は¥500(税込)で統一されています。量はティーカップ3杯分ほど、たっぷりと楽しめます。
紅茶専門店でこのプライシングはなかなかお目にかかれません。お得すぎてびっくり。


蒸らし時間を計る砂時計
蒸らし時間を計るための砂時計がテーブルに置かれます。ちょいちょい詰まって時間が止まる、ゆるーい砂時計でした。


紅茶を注ぐ様子
時間になったら、ティーストレーナー(茶こし)を通して自分でカップに注ぎます。


ディンブラ ベァウェル
マスター(店主さん)いわく、今はディンブラがおすすめとのことだったので、ディンブラを二種類頼んでみました。
上の写真は、友人の注文したベァウェル茶園のディンブラ。なめらか、まろやか、豊かな甘み。全体的に丸っこい印象のお茶でした。


ディンブラ グレートウェスタン
こちらは私の注文した、グレートウェスタン茶園のディンブラ。先ほどのベァウェルと比べると、こちらはどこか四角い雰囲気。すっきり、はっきりとした風味です。
同じ地域のお茶なのに、茶園によって本当に個性が出るんですね。
共通して言えるのは、澄みきっていて最高においしい! 雑味など邪魔するものが一切なく、純粋な旨みだけを堪能できます。
これが東京都心でたったの¥500で楽しめるというのは、本当にただごとではありません。
紅茶とベストマッチのティーフードも必食
この日は2種類のサンドイッチ+ストレートティーのセット(¥900)と、ワッフル+ストレートティーのセット(¥900)を注文しました。(各税込)


ホットサンドイッチ(チキンサンド、ソーセージとキャベツのバジルソース)
上二つがチキンサンド、下二つがソーセージとキャベツのバジルソースです。
シンプルながらとっても美味! ティーフードと謳っているだけあって、紅茶との食べ合わせが最高です。
筆者がいただいたのはチキンサンドのほうでした。ソースがとてもおいしくて、思わず声に出して言ったら、
「そのソースはね、醤油とみりんと生クリーム。レシピ教えようか? フライパンを温めて、醤油を大さじ1、ちょっと焦がして……」


えっ、そんな事細かにプロの技を!?


惜しみないなあ(メモメモ)
マスターのサービス精神がすごいです。いわく、「隠すのは好きじゃない」んだそう。


ベリーベリーワッフル(アイスクリームトッピング)
ワッフルには+¥100でアイスクリームをトッピングしてもらいました。
ベリーベリーワッフルは、焼きたてふかふかのワッフルに、ミックスベリーと生クリームの組み合わせ。別添でラム酒のシロップがついてきます。
キッチンで焼かれている時点からお店じゅうにいい香りが立ちこめて、幸せこの上なかったです。お味ももちろん美味。
特にアイスクリームをつけたのが大正解でした。豊かな風味でとってもおいしい! おすすめです。
マスターの人柄が光る、気さくな空間
もうお気づきかと思いますが、このお店の大きな特長は、なんといってもマスターの気さくなお人柄。
初めてのお客さんもサービス精神120%で歓迎してくれて、質問にはなんでも惜しみなく答えてくれます。
その場の雑談で、紅茶の耳寄り情報やスリランカの様子(マスターは自らスリランカの茶園に出向いて紅茶を仕入れています)など、貴重なお話をたっぷり聞くこともできました。
店内には大きなスリランカの地図が貼ってあるので、それを指さしながら話したりと大盛り上がりでした。


マスターのお話を聞いて、スリランカに興味が湧いてきちゃった。行ってみたいな~。
こんなときにおすすめ!
紅茶好きさんはぜひとも一度は行ってみてください。間違いなく楽しめることをお約束します。
お値段も本当に魅力的ですね。気軽に何度も利用したくなるお店です。
注意点としては以下のようなところが挙げられます。
1~3人での利用が最適です。広々とした空間でゆったり過ごしたい人や、静かにしっとりと過ごしたい人には不向きです。
基本情報
以下の公式サイトにて、マスターがほぼ毎日ブログを更新しています。純粋に読み物として面白いほか、混雑状況などの情報も載っていたりするので、ぜひチェックしてみてください。